名探偵の掟

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いや、コレは可笑しい。
大いに笑える。
推理小説の舞台裏、種明かし&自虐的な作品である。
東野氏がさらっと笑い飛ばしているような感じにも思えるのだが、もっと奥が深いのである。
作者と読者との間で暗黙の了解の下に成り立っている「名探偵」が出てくる作品、推理小説を作者と読者と両方ともに批判的に書かれているのである。
筆頭に挙げられる代表作家&作品としては横溝正史金田一耕助シリーズだろう。
今もってしてもあの作品群、過去の推理小説のトリックの呪縛から解き放たれていない現状を嘆き憂う東野氏の声が聞こえてきそう。(^^ゞ
それらに対する回答もしっかりと後の作品に反映されているあたりがすごいと本書の解説に書かれていたが正にそうだなぁと納得。
ま、そんな堅い話し抜きにしても楽しめる作品である。