流星の絆

14

獅子座流星群の流れ星を見つめて復讐を誓い合った兄と弟と妹の3人。
事件は6年前に遡る。
曇って見ることができなかったペルセウス座流星群の流れ星。
家に帰ってきた彼らが目にしたものは両親の惨殺死体だった。
時は現代に戻って(事件から14年が経過していた)、彼らは詐欺を生業にしていた。
生き延びていくために。
そして今回が最後、あとはすっぱり詐欺から足を洗って普通の生活をするんだと決断する兄。
ところが最後に罠にはめる相手の父親が弟が見た犯人の横顔だった。
キーワードは「ハヤシライス」。
妹は罠をはめる相手の父親のレシピで作られたハヤシライスを食べた。
それは父の秘伝の味と同じだった。
間違いない!彼が両親を殺して秘伝のレシピを盗んだのだ。
彼らは作戦を変更して存在しない証拠をでっち上げて相手の父親を警察の手に落ちるように仕向ける。
誤算だったのは妹の恋心。
元々罠にはめる相手だった男(殺人犯の息子)に恋をいてしまったがためにミスを犯した。。。。 いくつもの伏線と鮮やかな展開は東野圭吾の18番。
そしてお決まりの最後の大どんでん返し!!
えーっ? 真犯人はそいつなの!?
そんな禁じ手を使うのか!!(〜〜;
両親を失って、騙されて、「生きていくために」という大義名分で騙す側に回ってしまった3人。
同じような境遇で育ってもまっとうな人はいるから、そういう人たちからしたら鼻持ちならぬ設定なのかもしれないけど、十二分に面白い作品でしたよ。
兄弟愛、その深い『絆』が泣かせます。 >泣かなかったけどね。(^^;
そうそう、東野氏が遊んでいる箇所があります。
東野ファンならわかると思うけど、作品中に「加賀刑事」と「草薙刑事」が名前だけで登場します。
二人とも東野作品にはなくてはならないキャラクターですね。
加賀はいわずと知れた「加賀恭一郎」、直近の作品は『新参者』ですね。
草薙のほうはガリレオこと湯川助教授とセットで登場しますね。(^^)