プラ・バロック

218

女性刑事「クロハ」が、埋立地の冷凍コンテナから集団自殺と思われる14もの遺体がわんさかと発見された事件を、現実と仮想を行きつ戻りつしながら首謀者を追い詰める。
自殺者から死後に遺言と思しきメールが送られていた。
すべてにポリゴンの座標空間を表すテキストファイルが添付されていて、それらをすべて重ね合わせていくとそこにはある立体モデルが・・・
埋立地の工場群やらコンテナ群などの無機質さと、電脳空間での無機質さが際立つ。
そして全編を通して登場人物がカタカナで表記(一部例外もあるが)されているのでさらに無機質感が増長されて面白い。
結城充孝氏の久々の長編作品で第12回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作でもあります。
今後の活躍を期待して生暖かく見守っていこうかしらん。(^^ゞ