朽ちた樹々の枝の下で

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事故で妻を亡くした男の再起に掛ける自分の物語。
眠れぬ夜を過ごした男が働き場所となる営林に出向き、そこで出会った女。
彼女は狼狽し、男から逃げる途中で転落して気を失う。
男は彼女を背負って最寄の医院に担ぎ込むが、気が付いた彼女は隙を見て逃亡する。
彼女は自殺しに山に入ったのか?
しかし、そうする理由が見つからない。
男は余計なおせっかいをみせて彼女を追う。
追ううちに明らかになっていく彼女が逃亡する理由、彼女が追い求めているモノに気付く。
男はそれ以上のことにやっと気付く。
彼女は非業の死を遂げた恋人のことを深く知ろうと、探ろうとしていた。
それに比べて自分は愛した妻の死から逃げるようにして退職して、友人達からも逃げていた。
彼女のために、しいては自分のために真実を追い求めて・・・・
しかし、その先にはいろいろな罠が、陰謀が、自衛隊という巨大組織の圧力が降りかかってきた。
北海道の富良野の山間を舞台としたサスペンス。
読み応えのある1冊でした。