『ブロードアレイ・ミュージアム』と『盗聴』

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とある小説家が飲んだくれのオヤジに「ブロードアレイ・ミュージアム」について知っていることを聞く。
その小説家は、かつて「ブロードアレイ・ミュージアム」の連中に世話になったことがあるらしい。
ワケアリの連中がワケアリの代物を仕入れて展示販売する博物館。
アルカポネが闊歩する禁酒時代(1920〜1930年ごろ)のブロードウェイでの楽しく愉快な、そして奇怪なお話。
そのよもや話を小路幸也氏が独特のタッチで描くエンターテイメント。

物に触れるだけで未来の悲劇を読み取ってしまう不思議な能力を持つ10歳の少女。
その少女が見る悲劇を阻止する為に奔走するブロードアレイ・ミュージアムの面々の活躍ぶりにニンマリ。
少女はやがてある国のすごい人になるのだが、それは読んでみてのお楽しみということで。(^_^ゞ

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真保裕一氏の初の短編集。
 ・盗聴
 ・再会
 ・漏水
 ・タンデム
 ・私に向かない職業
以上5編です。
それぞれがなかなかのミステリぶりなのですが、「再会」のブラックさが、女性はやっぱり怖いと思わせる結末に呆然としました。
「誰よりもあなたのことを愛してた
それだけはお願い 忘れないでいて」と書き残して自殺した妻・・・・
今の夫を自分に振り向かせる為にやったある行為・・・おー怖い怖い。(^_^;