流れ行く者

177

上橋菜穂子さんの『守人シリーズ』の外伝短編集です。
小さい頃のタンダやバルサが登場します。
作品の中で本題にもなっている「流れ行く者」がよかったですね。
商隊護衛として雇われたジグロとバルサが護衛中に賊に出くわし、護衛の中の裏切り者にバルサが殺されかけるところ。
彼女は意に反して身動きがとれず老獪な裏切り者の短槍が迫る刹那、身体が勝手に動いて切先をかすって傷を負うも彼女の短槍が相手の胸に突き刺さる。
その骨と肉に食い込む感触が生々しい。
短槍では仕留められず短刀で相手の息の根をとめたが、さすがに13歳の少女にとって「人を殺める」という行為に至った自分に衝撃を受ける。
優しくジグロに抱きしめられるも後戻りができないことを悟る。
たったの13歳にして・・・・
「守人シリーズ」では30過ぎのオバさん短槍遣いの過去を垣間見ることができた。
こういう悲しい過去を乗り越えてオバさんになっていったのね。(笑)
少年少女向けファンタジー小説なのでルビふってるし、活字デカイし、ちょっと恥ずかしい思いをしながら読みましたよ。(^_^ゞ