『光の帝国』と『天使などいない』

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副題は「常野物語」。
"とこの"と読む。
常野と呼ばれる場所に特殊な能力を持った人たちがいた。
やがてそれが軍部の知るところとなり、人体実験の対象として連れ去られていく。
大量虐殺の憂き目に遭ったが、やがて彼らの生まれ変わりが常野に集まりだす。
そんな感じだった。
でもなんか消化不良。
後書きで著者も書いていたが、色んな人物が登場して話が繋がってこない。
一番最初に書いてあった「大きな引き出し」を膨らませて何時の物語にした方が面白かった気がする。
9編からなる短編集。
確かに素直な天使はいなかったが、ちょっとへそ曲がり気味のヤツがいたような気がする。
プチハッピーを連想させる終わり方をしている作品が多かったのだ。
でも、それぞれいい感じでシュっと終わっているので面白かったですよ。
特に一番最初の「別れてほしい」なんかはブラックで気を引きました。