ラッシュライフ

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伊坂さんの作品は初めてです。
金で手に入らないものは何も無いと思っている画廊の初老のオヤジと画家の卵の女。
達観した風体のプロの泥棒。
ある事件の犯人の次の犯行現場を予言し、神と崇められた男に心酔する若者と神の側近の男。
さえないJ2チームのDFの男と精神科医の女。
会社を首になってひょんなことから老犬と共にする男。
それぞれが独立した形で話が進行していくかのような感じであったが、終わってみれば最初から互いにリンクしていたことに気づく。
なるほどな、なんかしてやられた感じ。
ラッシュライフ』の "ラッシュ" が[lash]なのか[lush]なのか[rash]なのか[rush]なのか・・・
それぞれに当てはまるのだが、最後の一行にたどり着く。
装画のエッシャーの騙し絵が話の中で効果的使われているのがいいねぇ。(^^)