クロスファイア

27, 28



いわゆるサイコものっちゅうことで。
火を自由に操って相手を瞬時に焼殺してしまう能力「念力放火能力(パイロキネシス)」を持つ女性が主人公。
なんか中年のオッサンが読む本とはちゃうような気がしたけど、借りたもんはしゃぁない。(^^;
で、彼女はその能力を生かして「私刑」をやるわけだ。
法律ではうまく裁けない犯罪を「正義」の名の下に行われる大量殺人。
能力ゆえの孤独感、それはまぁ分かるとしても生理的にこういう正義感は受け付けないなぁ。
デスノート夜神月と同じ香りがする。
作者の宮部みゆきも当然分かっていて書いている。
所詮、個人が掲げる、国家が提唱する「正義」なんて、危険で全く当てにならん。
この物語では「ガーディアン」なる闇組織のよって彼女は抹殺される。
この闇の組織は特殊能力を持つ、持っていなくても同じ志を持つ有志の集まりで、警察や政財界にも有志がいて、現行法では裁けない悪しき人間を誰にも気づかれないように事故、自殺に見せかけて抹殺していく異常集団なわけだ。
ただ一人、同じ特殊能力を持ち、同じ孤独感を持ち、心を許した相手だったのに組織を守る為に殺される。
裏切られた女は最後の「力」を放出して裏切った愛する男を焼殺してしまう、誠に哀しい結末。
が、闇の組織「ガーディアン」にとってやっかいもんの彼女(やり方が派手で組織にとって危険人物だった)が処分できてメデタシ!というお話でした。(合掌)