羊と鋼の森

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読了。

いやぁ美しい!
文章が、その描かれた情景が、登場人物の個々の心根が。
読後感が清々しいんですけど、ホント。

ピアノの調律を生業としている人たちの物語です。
主人公の青年が、17歳のときに体育館でピアノを調律する人に出会って、人生が、進むべき道筋が見えた。
これだけでもすごいことなのだが、ピアノの調律の仕事がこんなにも美しく書かれている作品てないんじゃないかと。
音が直接言葉として書かれてるわけでもないのに情景が浮かんで目で聴いてしまう。
行間の余韻がたまらんなぁ。(^^;
調律師という専門職があるなんて知らなかったけど、著者の綿密な取材で垣間見ることができました。
リアルな世界は、もっとドロドロしてるんだろうけど、主人公のような純なヤツがいてもいいんじゃないかと思たわ。

羊と鋼の森、このタイトルの意味が理解できたとき、いっぱしのピアノ調教師マニアになること請け合いだ。(え)