アクアマリンの神殿
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あぁ、あの「〜であります」調で喋るハイパーマン・バッカス好きの少年を主人公にした近未来のお話ね。 「モルフェウスの領域」の続編になります。 網膜芽細胞腫という眼の癌に罹った5歳の少年の右眼は摘出され隻眼となったが、さらに左眼に再発。 未来の医療進歩に賭けてコールドスリープ状態に。 ここまでは「モルフェウスの領域」のお話だが、当作品はコールドスリープから目覚めた少年が、コールドスリープ状態だった時にメンテナンスしてくれていた女性(コールドスリープ状態になっている)の面倒を逆に看ている。 少年は中学2年に編入し、高校2年にして飛び級で東城大学医学部に合格するまでの学園生活を堪能する様と、面倒を看ているコールドスリーパーが目覚める時に以前の自分の継続を維持するのか、過去の人格を抹殺して新たな人格を与えるかを委ねられて大いに迷う様とが描かれている。 う〜ん、なるほどねぇ。 実に興味深い設定で、5年間の人生実務未経験者に究極の判断を下さなければならない境遇と葛藤を与え、途中の学園おちゃらけ話を挟んで展開される二面性がなんとも。 ラストがやや難解だったわ。 海堂さんお得意の煙に巻く戦法?(^^; 眠り姫の寝覚めまで至ってないのでまだ続編があるんだろうなぁ。 |