すべての神様の十月

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10月は「神無月」。
でも出雲では「神在月」。
ま、10月は移動せなあかんから神様も忙しいと。

話が脱線した。(^^;

この作品には、死神、貧乏神、疫病神、道祖神九十九神、福の神と、6神が出てくる6編の連作短編です。
どれも人間臭くてね、いい味出してます。
その中でも最初の「幸せな死神」がいいですね。
あるバーで人の死を見届けに来ていた彼(死神)に頭からウィスキーをぶっ掛けて召喚し、ウィスキーを奢って契約してしまった女とのやりとりが可笑しい。
召喚に契約って・・・
で、この死神は策士で人の誕生に立ち会えば幸せを感じることが出来るって言って、女の出産に立ち会う。
そしたら死神は・・・・消えた。
人の死に立ち会う仕事から解放される唯一の手段がこれ。
名前まで付けてもらってるし。
イケメンの死神ってどうよ。

他にもお釜の九十九神が炊飯器に乗り換える「ひとりの九十九神」や、福の神であることを忘れて自殺しようとする「福の神の幸せ」も秀逸!

このなんとも言えない作風は、小路幸也氏の真骨頂だな。