花のベッドでひるねして

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たまにはこういう緩いお話もいいもんです。
なんかホッコリしますね。
よしもとばななさんの作品です。

主人公は30代の女性。
赤ん坊のとき、海の浜辺にワカメにくるまれて捨てられてたと。
で、今の育ての親に拾われてスクスクと育ち、亡き祖父が営んでいたB&Bを受け継いで暮らしている。
幼少時から生みの親がいないことが何のマイナス要素にもならないよう家族が自然体で全面バックアップしながら育てた素晴らしい女性。
いいね。

ある日、両親が交通事故で怪我をしたところから、あまり良くない出来事がちょくちょく起こったが、幼馴染が海外生活から日本に軸足を移すべく近所に引っ越してきてから事態は緩やかに好転して行く。
恋愛関係には発展しないと、当人たちは思っているが、いい感じな関係になっていく。
へんぴで小さな村だが、自然にあふれた神聖な丘を背景に人々はひっそりと穏やかに暮らしていく。
何気ない日常に、ちょっとミステリーやホラーっぽい(あくまでも「ぽい」)要素もあって飽きさせない。
ページ数も少なくて、サラッと読めて後味スッキリ。
あぁ、心休まるなぁ。
こんな小説の世界に逃避したいなぁ。(^^;