ペテロの葬列

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杉村三郎シリーズ待望の第3弾!
TVドラマでやってたのは「誰か」「名もなき毒」を元にしたやつだな。
で、本作を読み終わった感想、「お祓いしてもらいなさい!」だ。
疫病神に取り憑かれているとしか思えない。
ようこんなに次々と事件に遭遇して、辞めときゃいいのに首を突っ込んで、自分をどんどん窮地に追いやっていく。
マゾか?
で、案の定ああなったり、こうなったり。
予想はしてたけど、ショックだわ。
結果、自由になれたの?
何処へ行くの?
まだこのシリーズは続くの?

今回は、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇するところから始まる。
交換条件は、ある三人を連れて来いと言う。
この三人を世間の晒し者にしたいらしい。
人質に今回の慰謝料として後日現金を宅配するという。
と、突然警察が突入したとき、老人は自分の拳銃で自殺する。
人質は誰一人怪我をすることなく、事件は解決したかに見えたのだが、宮部ワールドはもちろんそいはさせない。(^^;
後日、本当に現金が送られてきたことで元人質たちは、この金をどうするかで紛糾、事件性のある金なのかどうか杉村主導で事件の真の動機の裏側を探っていく。
そこに発見したのはには、人の闇だ。
普通っぽく見えても、心の奥底に潜む闇が支配した時、人は悪魔になる。
そんな様が描かれている。
あのバスジャックの老人の過去の闇を暴いた時、杉村の幸福だったと思い込んでいたものが瓦解する。

この作品の結末、私なら立ち直れないわ。