祈りの幕が下りる時

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加賀恭一郎シリーズ最新作。
日本橋署に異動になってから3作目ですね。
冒頭でいきなり加賀の重要な親族の生い立ちが明らかになる。
ここでグッと読者を惹きつける。
で、これが良い伏線となってるわけで、してやられた感いっぱいですが。(^^;
異動の理由のおまけ付きで盛りだくさん。(笑)
そこまで加賀の個人情報バラしていいのか、東野さん!(^^ゞ

物語のキーパーソン(女演出家)が早々に分かるのだが、この人物および周りの人間がどう関わってくるのか、加賀恭一郎シリーズに共通する内面の描写がいいね。
ねじれてはいるが彼女の父親の愛が、悲劇をより深くする。
決して明かされてはならぬ過去の扉を自ら加賀と会うことで開けてしまった。
殺害された幼馴染、焼死体で発見されたホームレスの男、失踪した中学の先生、加賀の母の思い等々、いろいろな伏線の点と点が線となって繋がった時、「あぁ」っと腑に落ちた。
哀しい結末ではあったが、読後感は悪くない。
日本橋署三部作ここにて完結。
本庁に呼び戻されたのだよ。
登紀子さんとのその後も気になるし、次作はいったい・・・(^^ゞ

にしても加賀の執念と推理力って、どないやねん!神か?