聖なる怠け者の冒険

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読み進めていくうちに「宵山万華鏡」と「有頂天家族」との繋がりがあることに気付いた。
祇園祭と狸。
それはさておき、「人間である前に怠け者」であることを自認する主人公は札付きの怠け者である。
ある日、気が付くと椅子に縛り付けられて校庭に居た。
隣には正義の怪人「ぽんぽこ仮面」も居た。
ぽんぽこ仮面が言うに「跡を継げ」と。
主人公は怠け者でグウタラしたいから断るのだが、祇園祭宵山である土曜の一日が、彼の望まざる冒険へと誘う。
綿密なスケジュールで充実した一日を送ることをモットーとする職場の先輩とその彼女との対比が際立って面白い。
怠け者の探偵とアルバイトで助手を務める方向音痴の女性もいい味出してる。
小気味いいテンポで展開する非現実的な世界。
京都の実在する場所や行事を題材にしてるんだけど、そこは森見登美彦ワールド全開!
果たして「ぽんぽこ仮面」の正体は?
大いに笑える作品。
これを読んで脱力し、無気力、グウタラで処暑を乗り切ろう。(^^ゞ