余命1年のスタリオン

50

スタリオンと言えば、三菱自動車のスタリオン(Starion)を真っ先に思い浮かべたぞ。(^^ゞ
この作品のスタリオンは、競走馬として優秀な成績を残し繁殖価値が認められた種馬(Stallion)のことだ。
しかしまぁ、芸能界への登竜門という「スタリオンボーイグランプリ」って。。。。露骨過ぎ。(笑)
主人公はこのグランプリの初代優勝者で、35歳の脂ののった「種馬王子」と呼ばれる二枚目半の下ネタ得意の俳優だ。
ま、本の題名みれば行き着く先は明解なわけだけど、そこは石田衣良さんだからね、うまくまとめられてるわけですよ。
変な咳が出て喉に違和感があって、そのうち血痰まで出て医者に診てもらったら余命1年の肺癌だってさ。
そこから主人公の取り巻く世界が一変する。
1年で何ができるか、何を遺せるのか、人生を掛けた戦いが始まった。
初主演の映画に命を注ぎ、三つ又の恋愛にケリをつけ(つけられ?)、 抗がん剤治療の副作用に耐えながら、そして自分のDNAを残すべく新入りのぽっちゃりマネージャーと子作りに励んで電撃入籍!
無事クランクアップしたと思ったら、押さえ込んでいた癌細胞が暴れ出して危機的状態に。
主人公は重大な決心をする。
うーん、これはかなり辛いな。
でも気持ちはわかるような気がする。
同じ立場になったら、そうするかも。
癌細胞との競争になんとか負けず、無事出産に立ち会って我が子を抱くことができた。
最期の描写はないが、きっと穏やかに、そして自分の人生に満足しながら逝くんだろうね。
健気なマネージャーの行先が心配だが?周りの援助が多いに期待出来るので、なんとかなるかな。
題名ほど悲壮感の漂わない(いや、やはり悲壮だわ)作品でした。