きみ去りしのち

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1歳を迎えたばかりの息子を亡くした男と、その男の前妻との間に生まれた娘との長い長い巡礼の旅を綴った物語。

きみ去りしのち。。。。愛する人を失った人はその後どう生きて行くのか。
答えがあるのかどうかも分からないまま男は旅に出る。
そこになぜか前妻との子がくっ付いているのが不思議。
ただ、娘は男を父とは見なさず苗字で呼ぶ。
10年間会わずにいた父と娘。
まるでその空白を埋めるかのよう。
男にとって理不尽な離婚ではあったが、前妻は死期が近いらしい。
物語の終わり近くに前妻は亡くなってしまう。
娘も最愛の人を亡くしてしまったのだ。
二人の奇妙だが暖かく見守っていたい、付かず離れずの微妙な関係が面白い。