美しい家

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なんだろう、なんかスッゴク後味っちゅうか、読後感が悪い。
家族っていいもの、というイメージが根底から覆される感じと言えば分かるだろうか。
ここにはかぞくが崩壊した残骸が転がっているだけで、うすら寒い光景が脳裏に浮かぶ。
美しい家、なんて皮肉な題名だろう・・・・

夜、作家で離婚歴のある男が、コンビニ前でへたり込んで缶ビールをあおる若い女性を家に連れて帰る。
昔、姉が夜の闇の中、何者かに連れ去られてしまい消息を絶ったからこういう境遇の女を放置できなかった。
この女は語った。
幼少の頃、スパイ学校に居たと。
窓からロケットが見えたと。
私に関わると、みな死んでしまうと。
作家は女の語るスパイ学校に興味を覚え、それが実在したのか、何なのかを探り出そうとする。
その過程でいろいろなことが判明していくのだが・・・・
もう一つの別の流れでムショ帰りの青年の話があった。
彼もまた、スパイ学校のようなところで幼少期を過ごした。
そして彼はその時に殺人を犯してしまったと思っていた。
本当の家族を知らない彼らが寄り添った場所、それが花畑ハーレムと呼ばれていた。
無責任な大人たちに翻弄された過去を持つ。
彼らが会合した時、恐ろしいことがゆっくりと始まった。

う〜ん、不気味な話ぢゃ。
「アポやん」書いてた人と同じとは思えん。