片眼の猿

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耳に特徴のある男の探偵が主人公のハードボイルドな作品。
やけに聴覚がいいらしい。
そんな彼が目に特徴がある女を雇い入れた。
今関わっている産業スパイの調査の手助けをしてもらうため、及び私的感情から。
調査相手を盗聴中にその相手が殺されるところを聞いてしまったり、雇い入れた女が拉致されたりと、色々面倒に巻き込まれる。
そのさなかに7年前に姿を消した「彼女」の自殺した原因が明らかになって・・・・
あぁ、すっかり著者の罠に嵌った。
お見事。
すべての真相がわかった時そう思った。
最初から思いっきり勘違いさせられてた。
大きいと思ってたのが逆だったこと。
男の周りの知り合いが、みな訳ありの容姿を、身体的特徴を持っていたこと。
そして、その当事者たちは、そのことについて何のわだかまりもなく普通に生活していること。
ハードボイルドで、ホッと心安らぐ作品でした。

「片眼の猿」という題名の由来に「なるほどなぁ」っと。

重要なことは目に見えているものだけではないと、表向きばかりを重要視するやつは信用するに値しないと主人公に語らせて著者は言いたかったのだろうなぁ。