話虫干

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いやこれは奇想天外なお話し。
著者の発想というか着眼点がいいですね。
図書館所蔵の希少本の内容を別のものに作り替えてしまうという「話虫」。
その話虫が替えてしまった物語の中に入り込んで元の物語に戻すこと、それが「話虫干」。
この作品では夏目漱石の「こゝろ」の初版本が書き替えられた
それを副館長と新人くんの二人が潜伏して話虫を探し出そうとする。
確かに原作にはない登場人物、著者そのもの夏目金之助が出てくるあたりデタラメになっている。
ところが予想外の事態に。
こゝろの主人公である「私」と「K」に異質なものとして潜伏した二人が怪しまれ始めたのだ。
そしてとった解決策が思わぬことで呆気に取られました。
そうきたか!
いやなかなか奥深い面白みのある作品でしたね。
買って良かったと思います。(^^)