つるかめ助産院

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心穏やかに和んでしまうお話でした。
人は一人では生きていけないし、自分だけが不幸を背負い込んでいるわけでもないし、人のためにできることが何かある、そんな当たり前のことを再確認させられましたね。
主人公は夫が突然失踪して生きる目的を失いかけた20代後半の女性。
結婚前の夫と行ったハート型をした小さな島に行ってみた。
そこで一人の年配の女性と出会う。
つるかめ助産院の院長先生だった。
彼女から妊娠していると告げられる。
一度は本州に戻ろうとしたが、行く当てもないのでそこにやっかいになる。
そして出会ったいっぱいの人達との触れ合いや島の自足自給ののんびりとした生活、子を産みにやってきて新しい命の誕生を目の当たりにして、主人公の性格は穏やかに明るく変化していく。
自分の過去の暗部をさらけ出し、人の暗部に触れ、自分は孤独ではない、自分にもできることがあると悟る。
やがて自分の子を出産した時に夫が戻ってきた。
夫の失踪の原因は書かれてなかったが、人は変われるものなんだろうなぁっと、漠然と思ってみたり。(^^ゞ