震災後

28

「こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか」
副題がこれ。
もちろん震災とは、先の東日本大震災のことである。
8章からなる物語であるが、正直に言うと最終章だけでもいいと思った。
それだけ最後は読ませる。
「未来」を子孫に引き継ぐ。
祖父から父へ?そして子どもへ。
バトンリレーのごとく粛々と。
原発の存廃、二者択一の近視眼的な見方ではなく、どう未来を良くして子孫に夢と希望を抱かせるのか。
一人の大人として耳が痛い。

「闇」に囚われかけた息子を取り戻す、そして父と子の絆を結ぶ再生の物語でもあった。

前半のフクシマベビーのくだりは、退屈で必要と思わなかった。
父親の子供染みた言動にも??