長崎乱楽坂

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幼少の頃から、羽振りの良かったヤクザ一家が転げ落ちるように衰退して、若い衆も離散していく様を見続けた少年が、ムッとするような男衆と女達の愛欲と暴力に揉まれながら、人としての道を踏み外すことは無いながらも自堕落な生活に落ちていく。
叔父が首を吊って死んだ「離れ」、その幽霊が出る「離れ」、女を連れ込んでナニをする「離れ」。
家が衰退しても変わることなく在り続けた「離れ」にやがて主人公は縛られる。
一度は長崎から出ようとするが踏み止まる。
ラストシーンでは「離れ」が燃え、その呪縛から解放されるたのだろう。
格好良くはない、男の生き様がそこにはあった。