永遠の0

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弁護士になる夢がありながら、司法試験に何回も落ちてフリーター状態だった青年が、フリーライターの姉の勧めで特攻で亡くなった祖父の実像を求めて、祖父と一緒に戦った元戦友を訪ね歩くというもの。
臆病者で命に執着していたと言われる祖父がなぜ自ら特攻で死んだのか。
訪ね歩くうちに、生きることに執着した理由を知る。
内地に残した妻と娘を愛していたことを知る。
零戦乗りとして優秀なパイロットであったことを知る。
部下に命を無駄にするなと説いていたことを知る。
人として素晴らしい人物であったことが誇らしく、青年はまた司法試験に向けて頑張ることを誓う。
良かった。
のめり込むようにして読んだ。
元戦友が語る太平洋戦争の真相は細部が鮮明で詳し過ぎてリアリティに欠けるが、戦争を知らない若い世代に十二分の情報を提供してくれている。
零戦と敵国機との空中戦の模様がリアルに表現され、零戦好きにもたまらない内容になっている。
最後の最後に祖母が再婚した相手と祖父との関係が明るみになるのだが、それは反則技やなぁ。(^^ゞ