ツリーハウス

壮大な家族のルーツを探る物語でしたね。
誰も語りたがらない自分達の過去。
孫の主人公が祖母の生まれ育った中国は満州地方への旅先で知ることになる祖父母の生い立ち。
日本から逃げるようにして渡った異国の地で彼らがどう過ごし、どう自分の父を産んで、どう日本に逃げ帰ってきたのか。
逃げることしかできなく、何からも逃げることしか教えることしかできなかった日々。
自分の人生に後悔はしないが、家族には不憫な思いをさせたと祖母は言う。
かつて、叔父が作ってくれた木の上の家。
大地に根を下ろさぬ根なし草。
まるで我が家のよう。
祖母の死によって、やっと我が家の住人たちは、「逃げる」ことをやめ前向きに生きて行こうとする。
ツリーハウス、題名から感じたことと違った物語の顛末にちょっとした感動を覚えた。
今年最初の読書として、いいスタートを切ったかな?(^^ゞ