ブルータワー

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9.11の影響を色濃く受けて著者が初めて書いたSFもの。
ちょいと荒唐無稽なお話しではあるがSFですから十分ありです。
ラストが両方ともハッピーエンドなのが出来すぎか?(^^;
話は末期の脳腫瘍に苦しむ主人公が脳内圧上昇に伴う激痛の中で220年もの未来に精神だけがトリップしてしまう。
そこは高さ2kmもある巨大タワー型の住居施設で彼はそこの第一層に住まう選ばれしものの一人だった。
上層階と下層階との間には歴然たる身分の違いがあり、さらにタワーに住むことも出来ず外の世界、さらに地下の世界とよりいっそう貧しい人達がいた。
タワーの外には「黄魔」と呼ばれる劇症型のインフルエンザが猛威をふるっていた。
有効なワクチンがないので、感染した場合は90%以上が命を落とす。
過去の戦争で使用された生物兵器の影響だ。
人類の大部分が死に絶えた。
そんな中で下層階や外の人達の解放軍のテロ攻撃や上層階の右派による掃討作戦で内戦状態が続く。
主人公はその世界では救世主とみなされていた。
彼は未来を救えるのか?
現代と未来を精神だけが行き来できる。
果たして・・・・
どっちの世界でも過酷な運命にあった彼野とった行動、それは諦めないということ。
約束を守るということ。
それなりに楽しめました。(^^)