噓をもうひとつだけ

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捜査一課の刑事で、30歳半ばぐらい、長身、鋭い目つき、肩幅が広く、痩せ顔で、彫りが深く、頬が尖っている、これでピンときたら貴方もハマってますね。(^^ゞ
東野圭吾氏の作品にあって欠かせない加賀恭一郎その人。
その加賀が事件を丁寧に、しっかり裏を取って解決に導く。
ちょっと引っ掛けで騙してみたりしながら。
そんな短編が5本詰まってます。
どれも秀作だと思いますが、最後の「友の助言」の結末が哀しくて加賀の人となりがよく出ていて好きですね。
どれも人間の「悲哀」が描かれています。
加賀は犯人を分かっている。
だけど本人の口から本当のことを言ってもらいたいと思うのだが、人は嘘をつく。
被害者も時に犯人をかばおうと嘘をつく。
その時加賀は悲しい顔をする。
自分の推理が当たていても悲しい顔をする。
人間加賀ここにあり。