あるキング

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著者自身がこの作品についてこう語っている。
「誰も読んだことのないような伝記を書いてみました。」
なるほどね、そうなのかもしれない。。。。って、伝記自体は殆ど読んでないのでなんとも。(^^;
伝記の対象者は「王求」([おうく]と読む)とプロ野球弱小チームの熱烈なファンである両親によって名付けられた「王になることを求められた」人物の余りにも短い一生の持ち主。
「球」とも読めるプロ野球の選手になることを運命付けられた可哀そうな人。
小学生のリトルリーグから高校球児まで華々しい活躍をみせたバッターであたが、王球に暴力を振るった不良を父親が殺した為に退学を余儀なくされ、プロ野球選手への道も断たれかかったがなんとか両親の贔屓の弱小チームに拾われる。
強くなることを求めないオーナーのせいもあって孤軍奮闘するも相変わらず最下位あたりをウロウロ。
数々の本塁打記録を塗り替えるも結果は変わらない。
全然楽しくない野球人生。
ただただ黙々と両親に敷かれたレールの上を歩んでいくだけ。
で、反感を買った監督の腰巾着に刺されるもそのまま打席に入り最後のホームラン。
23歳で昇天(多分)。
自分も活躍した選手の命日に生まれた。
そして自分の命日に新たな生命が新たな宿命を背負って生れ落ちる。
ぐるぐると悪夢のような輪廻転生が続くのだろう。
これは悪い冗談なのだよ、きっと。