学生街の殺人

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大学を卒業したが就職せずに親には大学院に行っていることにして学生街でバイトしている男が主人公。
裏寂れたそんな学生街で立て続けに3件の殺人事件が。
いずれも彼が第一発見者となっていたのだが、そのうちの一人が彼の年上の彼女だった。
その彼女の隠された過去の秘密に全ての事件の謎が含まれていた。
彼が刑事よりも先に推理を働かせて事件真相に迫る。
殺人犯はわかった。
でも彼女の過去の秘密は謎のまま。
その真相を理解した時、彼はやりきれない、それでも許せない感情を隠せないでいた。
東野圭吾初期の作品にして、やはりずば抜けた才能が見え隠れする。 1つの謎解きが、いくつもの謎を産み、それをどうさばいて解決させるのか、が実に上手く描けていると思う。
最近の彼の作品しか知らない方は、この初期の作品も一度手にしてみる価値があると思う。