『永遠の仔 上』と『永遠の仔 下』
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これは読み応えアリの作品でした。 長編もさることながらテーマが重い。 鞄に入れて持ち歩くにも重い。(^^ゞ 児童虐待ですね。 男児2名、女児1名、みんな当時12歳の小学6年生で、それぞれが問題を抱えていて児童養護施設出会うわけです。 男児:ジラフ、体中にタバコを押し付けられて出来た火傷の痕がキリンの模様のよう。 男児:モウル、押入れに閉じ込められたことがトラウマになって狭くて暗いところが苦手。逆の意味でモグラ。 女児:ルフィン、入水自殺を試みたり、蛇口から水を撒き散らして辺り一面水浸しにしたイルカちゃん。 女児だけ入所した理由が謎だった。 話はその児童養護施設当時の頃と17年後に再会してからのことが行ったり来たりして展開されます。 お互いに成長して男児は弁護士と刑事へ、女児は看護婦へとなっていました。 表向きは過去を克服して立派な成年になっているように見受けられたが、それはあくまでも表面上のこと。 深層はそんなに単純ではなく複雑でした。 そんな描写がうまいですね天童さんは。 重い共通の過去を背負いながら生きてきたそれぞれの17年間。 女児の父親との関係を清算するために計画された事故に見せかけた殺人。 すべてはここから始まったのかと思わせる。 お互いに大きく誤解していたことが後でわかるのだが。。。。 真実は最後に。 「あなたは、決して悪くなかった」という言葉が欲しくて生きてきた。 親と子の確執、葛藤、贖罪。 嵐の中で、3人で励ましあった言葉、「生きていても、いいんだよ」。 悩める親子全員に伝えたい言葉だと思った。 |