全身麻酔

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「摘出」、「昏睡」に続く癌シリーズですね。
一般病院に下野した本木も出てきます。
さて、内容はというと全身麻酔を受けて直腸癌の手術を受けた患者が痛みは感じないものの意識が完全に戻って術中の医師たちの会話、それもとんでもない内容を耳にしてしまうお話。
この物語の序章でしかないのだが。
裏には手術する患者を取り違えるという初歩的なミス、大動脈を傷つけての大量出血の手術ミスの隠蔽、病理検査に出す検体の故意のすり替えが。
癌の筈が結核にすり変わったため、適切な治療が受けられずに全身に癌が転移いて死亡。
その故意を起こさせたのは彼の元妻で不倫に対する復讐。
その不倫相手が新教授。
新教授は元妻を許せず薬殺する。
医療現場における闇をえぐり出した、なかなか興味深い展開でした。