東京公園

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主人公は死んだ母の形見のニコンF3を操って、公園で楽しむ《家族》を撮る。
「心を込めて撮った写真には、その人の本当が写る」という信念の元に。
「ファインダーを通して相手を見る」ことで相手がどういう《人》、《家族》なのかが分かってしまう特技。
そんな彼に一人の男が仕事を依頼する。
最近妻が子供を連れて公園に毎日のように出かけるのだが、浮気をしているかもしれないので写真を撮って、それを見せて欲しいと頼む。
男は、それは背信行為であることは承知の上で、それでも悩んで彼に依頼する。
彼は承諾して妻子の写真を撮り続ける。
でも彼は気づいてしまう。
彼女は自分の存在に気づいている、好意を持っていることも。。。。
彼が一緒に住んでいる年上の男友達と幼馴染の女と腹違いの姉とを交えた甘酸っぱい青春グラフィティ。
幼馴染から腹違いのあなたの姉があなたに好意を抱いていると打ち明けられた驚き。
やがて彼は自ら『ケリ』をつけていく。
妻は夫に仕事よりももっと大切なことがある、私たちと一緒に公園で来て、私たちを見てと訴えたかったと悟る彼は男に自分と同じようにカメラのファインダーを通して大切な家族を見なさいと促す。
また、姉は一人の『男』としてではなく『弟』として出会ってしまった事実を受け入れ、弟を《家族》として守る対象として自らを納得させていたが、それに答えるように初めて姉をカメラの被写体としてファインダーを通して見る。
それぞれがあるべき姿のところに落ち着いていく。
家族とは? 愛とは? を読む者に投げかけてくる、そういったお話。。。なのかな?
個人的には、彼が一筋事縄ではいかない、つかみ所のない幼馴染と結ばれたらいいなぁっと。(^^ゞ