レベル7

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なかなか読み応えのある作品でした。
レベル7・・・・「れべるなな」とどうしても読んでしまう。
「えーよん」と言ってディーラーの姉ちゃんに「えーふぉー」ですねと言いなおされたことを思い出した。(赤面)
「れべるせぶん」です。(^^ゞ

ある日目覚めたらベッドの隣に見知らぬ女性が・・・こういうシチュエーションだけでもドキドキ、わくわく(何?)するのに、記憶が全くない、それも自分の名前すら思い出せない、そんなことに直面したら・・・・
という出だしで始まる。
もう1つオマケに相手の女性も記憶喪失になっている。
やがて二人は隣人の得体の知れない自称ジャーナリストの助けを借りてこの苦境を脱しようと四苦八苦&悪戦苦闘。
記憶喪失の二人の共通点は、腕に描かれた "Level7" の文字。
「レベル7」・・・ファミコンのRPGのレベルのことかと思ったが、さにあらず・・・ま、ゲームと言えばゲームのようなものだけど、それは題名程度のものであくまでも伏線でしかなかった。
これとは別の話も同時進行。
カウンセラーの下に相談してきた女子高校生、彼女が日記に「レベル7まで行ったら戻れない?」という謎の文章を書き残して失踪する。
カウンセラーである女性は必死になって彼女を探そうとする中で、先の記憶喪失の連中と複雑に絡み合って、やがて1つの事件にたどり着く。
そこに待っていた驚愕の事実。
見事な構成でした。
してやられたり。
う〜ん、面白かったねぇ。
文庫本にして本文650ページ、約2.5cm厚の大作でした。

追加。
自称ジャーナリストの行動は怪しくて違和感有り有りでしたが、そこは「あえて」であって最大の伏線。
この作者の最後の一行、その〆方が実に絶妙です。
なので決して本文の最終ページを見てしまわないこと。