遠い山なみの光

嫁さんが借りていた図書である。
休暇中用にと借りていた本は読み終えてしまったので仕方なく毛色の違うものを。(^^;
この作者であるカズオ・イシグロさんは生まれは日本だが5歳にして渡英されたので日本語の読み書きは出来ないらしい。
で、この作品も英語で書かれていたものを小野寺健さんが和訳したという不思議なもの。
書かれている内容も日本人が日本人に対してする会話そのものであったりして、いった原文ではどうなっていたのか興味をそそられた。
とある日本人女性「悦子」が渡英して英国人との間にこさえた娘との会話から始まる。
悦子には日本人男性との間にこさえた長女がいたのだが、つい最近に自らその生涯に幕を閉じた。
そこから一気に過去の回想シーンが続く。
悦子の自らのアイデンティティを獲得していくまでの長い長いお話。
悦子の日本での友達(?)だった佐知子の生き様と今の自分との重なり具合がなんとも暗くて重くて。(^^ゞ
ま、たまには推理サスペンスとは違う読み物も良かろう。