「ムンクを追え!」と「パズル・パレス」の上・下巻

これは数日前に読み終えていましたが、当事者へのインタビューの内容をメインに構成されたいますね。
ノルウェーオスロ市内にある美術館から、かの有名な「叫び」が盗まれてから、それを奪還するまでのお話。
なんでノルウェーでの事件にイギリスのロンドン警視庁美術特捜班が首を突っ込むのかが不思議ですが、囮捜査官のチャーリー・ヒルの見事な囮っぷりが楽しめます。
ほんと、このオッサンは只者ぢゃありませんぜ。



ダン・ブラウンのデビュー作です。
相変わらず・・・・ではなく、処女作から読者を引きずり込む能力に長けている感じですね。
私が単純なだけかもしれませんが。
話は、アメリカのNSA国家安全保障局)でのドタバタ話。
NSAがとんでもない予算をつぎ込んで完成させた暗号解析コンピュータ<トランスレータ>、こいつはネット上でやり取りされている通信内容に潜んでいる暗号文を極秘に解析して平文化してしまうので、一般市民の通信の秘密、プライバシー保護をも無力化してしまう。
そういうことに反発した元NSA暗号解読官(こいつがエンセイ・タンカドという名の日本人という設定。奇妙な名前だ)が、この<トランスレータ>の存在を公開せよと脅迫するんですけどね、彼はいきなり冒頭で死んじゃいます。
結末は意外とあっけないことなんだけど、そこへ行き着くまでの過程がハラハラドキドキなのですよ。
実に上手いわ。
これが10年以上前に書かれていることが驚きに値すると思う。
ただ、「モデム」やら「ISDN」やら今となっては過去の遺物のような通信手段が時代を感じさせます。
あと、「同志社大学」なんて実在の固有名詞が出てくるかと思えば、先のエンセイ・タンカドやトクゲン・ヌマタカという不思議な日本人名が出てくるところに変に興味を持ってしまう私はやはり偏屈者?(笑)
またまた、お勧めの作品です。